ポッキーが立体商標に!ニュースの概要
2025年7月、江崎グリコの人気商品「ポッキー」が立体商標として正式に登録された。
発売から約60年を経ての快挙であり、「形そのもの」が商標として保護されるのは異例だ。
対象となったのは、棒状ビスケットにチョコレートが片側だけコーティングされ、
もう一方は持ち手として素のまま残っている独自のフォルム。
この形状を見ただけで、多くの人が「ポッキー」と認識できることが決め手となった。
立体商標とは?コカ・コーラ瓶やヤクルト容器との共通点
立体商標とは、文字やロゴではなく「商品の形」自体をブランドとして登録する仕組みだ。
世界的にはコカ・コーラの曲線ボトル、国内ではヤクルトの小型容器が代表例。
いずれも消費者が形だけで商品を特定できる点が共通している。
ポッキーもまた「棒状+チョコ+持ち手」というシンプルかつ独特の形状が長年親しまれ、
ブランドとして定着したことで仲間入りを果たした。
発売から60年近く経って登録できた理由
1966年の発売からなぜこれほど時間がかかったのか。
それは「形だけで識別できるか」を証明するハードルの高さにある。
特許庁は当初、単なる棒状のお菓子にすぎないと判断し、拒絶理由を通知。
しかしグリコは1,000人以上を対象に調査を行い、
91.6%が「この形を見ればポッキーと分かる」と回答したデータを提出。
半世紀以上の販売実績に裏付けられたブランド力が、今回の登録につながったのだ。
ギネス記録も持つポッキーのブランド力
ポッキーはすでにギネス世界記録でも知られている。
2013年には「24時間で最も多くツイッターで言及されたブランド」として記録を樹立。
さらに「世界で最も売れているチョコレートコーティングビスケットブランド」としても
認定されている。
今回の立体商標は、
こうした実績に「形そのものの保護」という強力な盾を加えたことになる。
他のお菓子(トッポ・じゃがりこ・プリッツ)への影響は?
では他のスティック菓子はどうだろう。
トッポは中にチョコを詰める構造が独自で、
ポッキーの立体商標とは重ならない。
じゃがりこはじゃがいもスナックという素材面の独自性が強い。
プリッツはシンプルな棒状クラッカーで識別力が弱いため、影響は小さい。
今回の登録はあくまで「ポッキー型」の保護であり、
スティック菓子全般を縛るわけではない。
ただし「形をブランドにする」という発想が広がれば、
競合他社も将来的に独自の立体商標を狙う可能性はある。
まとめ:形そのものがブランドになる時代へ
ポッキーの立体商標登録は、単なるお菓子のニュースにとどまらない。
文字やロゴに頼らず、形だけでブランドを示せる時代に入ったことを象徴している。
模倣品対策としての守りの意味合いはもちろん、
「形を見ればポッキー」と消費者に訴求できる攻めの武器にもなる。
次に「たけのこの里」や「雪見だいふく」といったユニークな形を持つ商品が続くのか
――お菓子業界のブランド戦略はますます面白くなりそうだ。
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